発熱とは

発熱イメージ

発熱にはさまざまな定義がありますが、一般的には37.5度以上の体温上昇を指します。

多くの発熱は感染症によるものですが、悪性腫瘍(がん)、膠原病・血管炎、内分泌疾患、慢性炎症などが原因となる場合もあります。

感染症では、いわゆる風邪(上気道炎)のほかに、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、肺炎、肺結核、敗血症など、他者への感染や重症化のリスクを伴うものもあります。

また、発熱はそれ単独だけでなく、咳や痰、息切れ、発疹、下痢、嘔吐などの症状を伴うこともあります。

当院では、発熱の原因が感染症かどうかを含め、必要に応じて丁寧な診察・検査を行っています。 気になる症状がある場合は、お早めにご相談ください。

以下のような症状がある方は、特別診察室(発熱外来)での対応となります

  • ここ2週間以内に出現した発熱のある方
  • 発熱症状に加え下記の症状も一緒にある方は、受付にお知らせください。
    • 味覚や嗅覚の異常
    • 関節痛
    • 皮膚に発疹(ボツボツ)・水ぼうそう
    • 同居家族や、職場・学校などで同様の症状が出ている方
    • 周囲に感染症(新型コロナウイルス、インフルエンザ)と診断された方がいる
    • など

※受診の際には、事前にお電話でのご連絡・ご予約をお願いいたします。

代表的な感染症

急性上気道炎(かぜ症候群)

上気道とは、鼻腔、咽頭、喉頭など、鼻から声帯までの気道の上部を指します。
病気が起きている場所をより細かく分類して鼻炎、咽頭炎、喉頭炎などと細かく分けることもありますが、急性の上気道炎の場合は同時に複数個所が侵されることがあり、まとめて急性上気道炎(かぜ症候群)とする場合もあります。
鼻や喉の粘膜にウイルスや細菌が感染することで起こります。
複数の部位が同時に炎症を起こすことも多く、一般的には「かぜ」と呼ばれます。

主なウイルス:
ライノウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルス、新型コロナウイルスなど
主な細菌:
A群・C群・G群溶連菌、クラミドフィラ、マイコプラズマ、百日咳菌など

急性肺炎

肺に細菌やウイルスなどが侵入することで起こる感染症です。
加齢による飲み込み能力(嚥下機能)の低下による誤嚥によって起こる場合もあります。

主なウイルス:
肺炎球菌、インフルエンザ菌、マイコプラズマ、レジオネラなど
主な細菌:
新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルス、サイトメガロウイルスなど

肺結核

抗酸菌という特殊な細菌による肺の感染症で、強い感染力と長期の治療が必要な病気です。
保健所と連携して対応します。

敗血症

体内に侵入した細菌が血液中に入り、全身に炎症を引き起こす危険な状態です。
迅速な診断と治療が求められます。

感染症以外の発熱の原因

感染症以外でも、以下のような病気で発熱が起こることがあります。

  • 悪性腫瘍(がん)
  • 膠原病・血管炎
  • 内分泌疾患(例:甲状腺機能亢進症)
  • 慢性炎症(例:炎症性腸疾患)

これらの病気では、長期間の発熱や骨の痛みや関節のこわばり、体重減少、下痢、血便などが同時にみられることもあります。
これ以外にストレスなどからくる心因性発熱や、明らかな原因のない特発性高体温症という疾患もあります。

主に行われる検査

当院では、症状や身体所見に応じて、以下のような検査を行います。

  • ウイルス抗原検査(鼻腔・咽頭)
  • PCR検査
  • 血液検査(炎症マーカー・白血球数など)
  • 胸部CTや腹部CTによる画像診断

必要に応じて、さらに詳しい検査や専門医への紹介も行っています。